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なぜ、「完璧なシステム」ほど現場で使われないのか?

「数千万円かけて作った販売管理システムが、今は誰も使っていない」「機能が多すぎてマニュアルがないと動かせない」。皆さんの会社でも、こんな悲劇は起きていませんか?

多くの経営者は「高い投資をするのだから、業務を網羅した100点満点のシステムを作ろう」と考えます。要件定義に半年、開発に半年…。しかし、1年後に納品された頃には、ビジネスの状況も現場のやり方も変わってしまっているのです。

これは、システム開発を「ビルの建築」と同じように考えていることが原因です。一度建てたら直せない、だから最初に完璧な設計図が必要だ——。しかし、ビジネスの現場はビルではなく、毎日変化する「生き物」です。1年前の設計図で作られた「体温のない箱」が、現場で邪魔者扱いされるのは当然のことなのです。

「ビルを建てる」のではなく、「庭を育てる」ように

そこで私たちが推奨しているのが、Googleのノーコードツール「AppSheet」を使ったアプローチです。AppSheetの真価は、プログラミング不要という点以上に、「使いながら育てられる」ことにあります。

私たちは、最初の納品はあえて「60点の出来」でいいと考えています。「最低限これがあれば回る」状態でスタートし、現場の声を聞いて修正していくのです。

  • 「ボタンが押しにくい」→ その場で配置を変える
  • 「商品入力が面倒」→ 翌日にはQRコード読み取り機能を追加する

これは建築というより、水をやり枝を切る「庭いじり」に近い感覚です。現場の声を即座に反映させることで、システムに「体温」が宿り始めます。

「やらされ仕事」が「自分ごとのカイゼン」に変わる瞬間

ある製造現場では、若手社員の「QRコードで入力したい」という提案を数時間で実装したところ、現場の空気が一変しました。「あ、自分たちの意見が通った」「これは押し付けられたものではなく、自分たちの道具なんだ」と。

システムが変化に即応することで、現場の入力作業は「やらされ仕事」から「自分ごとのカイゼン活動」へと進化します。これこそが、AppSheetを選ぶ本当の理由です。

まとめ:巨大戦艦より、高速ボートを

変化の激しい今の時代、数年かけて「巨大戦艦」のような基幹システムを作るリスクは計り知れません。それよりも、AppSheetという「高速ボート」を小さく作り、現場と一緒に90点、120点へと育てていく。そんな「変化に強い、しなやかなIT投資」へ舵を切ってみませんか?

このエピソードを、音声で聴く

本記事の元となったエピソードを、ポッドキャストで配信しています。システム開発の常識を覆す「育成型」のアプローチについて語っています。

#12 100点満点のシステムなんて要らない。〜「建築」から「育成」へ。AppSheetが変える開発の常識〜

「システム開発は、もっと気楽でいい。」

失敗するプロジェクトの共通点と、現場を巻き込む「60点スタート」の極意。

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