はじめに:「便利になるはず」が、現場の負担になっていませんか?
「このシステムを入れれば、全社のデータが可視化されて経営判断が早くなる!」。そう意気込んで導入したのに、現場からは「スマホでポチポチ入力するのが面倒」「仕事が増えた」と不満の声が上がり、結局使われない…。そんな経験はありませんか?
実は、システム導入における経営者と現場の景色は、180度違います。
経営者:「メリット(データという果実)」を得る人
現場:「入力の手間(コスト)」を払う人
この構造的な「不平等条約」がある限り、現場が新しいシステムを嫌がるのは当然なのです。
解決策:「テイク(データ)」の前に、現場に「ギブ(メリット)」を
現場に喜んで入力してもらうためには、経営者がデータを「テイク」する前に、まず現場にメリットを「ギブ」しなければなりません。私たちが支援したある設備メンテナンス会社様の事例をご紹介します。
当初、現場には「スマホ報告なんて面倒だ」という空気がありました。そこで私たちは、経営者が欲しい集計機能を作る前に、徹底的に「現場が楽になる機能」を作り込みました。
- 写真の自動貼り付け:スマホで撮ったら、そのまま報告書に反映。デジカメからの取り込み作業を廃止。
- ワンタップで報告完了:送信ボタンを押せば、日報PDFが自動作成され、社長へのメール送信まで完了。
そして、現場の方にこう伝えました。「このアプリを使えば、事務所に戻って日報を書く必要はありません。現場からそのまま直帰できます」と。
「1時間の早帰り」という最強のギブ
その瞬間、現場の目の色が変わりました。「えっ、マジですか?すぐ使いたいです!」。
結果として、現場の皆さんは喜んでアプリを使い始め、経営者は欲しかった「正確な現場データ」を手に入れることができました。
システムとは、管理するための道具ではなく、「現場の社員を助け、早く帰らせてあげるための道具」でなければなりません。AppSheetは、現場の声を聞きながら「ボタンを大きくする」「入力を減らす」といった微調整(ギブ)を即座に行える、最適なツールです。
まとめ:ITに「体温」を宿すということ
私たちが大切にしている「ITに体温を」という言葉。それは精神論ではなく、「使う人の痛み(Pain)を想像し、それを技術で取り除いてあげること」です。
もし今、システムが定着せずに悩んでいるなら、一度現場に聞いてみてください。「このシステムで、何か一つでも楽になった?」と。答えがNoなら、それは設計を見直すチャンスです。私たちセイユーネットワークシステムと一緒に、現場が「これなら使いたい!」と言ってくれる、愛されるシステムを作りませんか?
このエピソードを、音声で聴く
本記事の元となったエピソードを、ポッドキャストで配信しています。「不平等条約」の解消法について、熱く語っています。
#11 なぜ、現場は新しいシステムを嫌がるのか? 〜DXを成功させる「ギブ・アンド・テイク」の法則〜
「システム導入の失敗は、現場への愛不足?」
管理したい経営者と、面倒な現場。その溝を埋める「直帰」というキーワードとは。

